昔の自分はただ楽になりたかっただけなんだなと、最近になって考えるようになりました。
今まで自分のやりたいことが中々出来ない人生だったけど、もしも好きな事に力の全てを注げたなら、過去のしがらみからも抜け出せて、あわよくば凄い存在になれちゃったりするかも。勉強は駄目でもクリエイティブな仕事なら出来るかも。そんな子供じみた幻想を抱いていただけだったんです。
端的に言えば逃げたかったんですね。夢を見たかった。
自分が好きそうな分野なら何でもよかったんです。アニメだろうが、イラストだろうが、音楽だろうが、小説だろうが。いい加減、自分が好きな事をやりたかったんです。楽に生きたかったんです。何かしらの形で報われたかったんです。
とんでもなく軽率で軽薄で、包丁のCMで切られたトマトくらいうっすい動機ですよね。上達したいとか良い作品を創りたいとかは二の次で、自分が楽しければそれでOK。そんな人間はアマチュアにはなれてもプロにはなれないと思います。事実、私はプロと呼ばれるような人間には終ぞなれませんでした。
人生において逃げていい時と逃げてはいけない時があるのならば、私はきっと逃げていい局面で逃げずに、一番逃げてはいけない局面で逃げたのでしょう。
当然それらは全て自分の蒔いた種なので、別に自分は可哀そうな人間ではありません。地面から顔を出している地雷を自分から踏みに行ったのですから、愚かしい人間です。同情の余地は一分たりとも存在しません。
……まあ、正直言ってどんな職業に就いたとしても遅かれ早かれ自分はこうなっていたと思います。何故なら、どんな仕事も楽なだけではないからです。好きな事を仕事にできたとて苦しみはある程度付き纏います。至極当たり前のことですね。
楽になりたいと思ってしまったあの時点で、この結末は変わらなかったのでしょう。ご愁傷様です。ちーん。