世界樹
それらはまるで樹木のように、1つの世界から枝分かれし、広がり続けていたため、観測者たちはその世界群を「世界樹」と名付けた。 そして、全ての大本である世界を「根」、そこから広がった世界を「葉」と呼称した。
調査の結果、我々の世界は葉の末端に位置していることが明らかとなっている。
許容とは
それはどうしてか。物理的に不可能であるからだろうか。では、その物理法則の正体とは何か。
答えは、世界の許容である。
我々が住むこの世界は、「物理法則の元で我々が存在する事」を許容しているだけで、「物理法則を我々が破る事」を許容していない。故に空は飛べず、永久機関は不可能だ。
もしも法則の破れを許容している世界(そもそも法則の存在しない世界、あるいは我々の世界よりもその制約が緩い世界)があるのであれば、我々の世界とはまた異なる様相を呈しているだろう。
世界の許容度は、「根」から距離が離れていればいるほど低くなるものと見られている。 現に、根から最も遠い我々の世界は、数多くある世界において最も許容が乏しい世界――低許容世界であることが判明している。
世界の観測、そして記録
我々は「世界を観測したい」と願い、思考するだけで世界の観測を行うことができる。 (これは元来「妄想」などと呼ばれてきた行為であるが、近年の研究により実際に存在する他の世界を観測していることが明らかとなった。)
しかし、その結果を記録する事は容易ではない。観測結果は全て人類の脳内に保存され、外部からそのままを抽出する事は現時点の技術では不可能である。 そのため記録の為には何かしらの媒体を用いてそのデータを複製し、他者に可視化する必要がある。このプロセスをより正確に、データの損失なく行うには、ある程度の習熟が必要とされる。